kitombo.com | 大地舜のフォトギャラリー | 2006年1月16日 
kitombo.com

大地舜のフォトギャラリー
「大地舜のフォトギャラリー(54)
マルタ(1)」

大地舜
1月16日

 人口39万人のマルタ島は独立した共和国です。島の大きさは淡路島の半分だそうですから、ごく小さな島で、タクシーで30分も走れば、島の反対側に着いてしまいます。
 マルタの人々の90%がカソリック教徒だそうですが、私が知りあった人々は敬虔な信徒とは、とても思えませんでした。特に親しくなったのは、アントン・ミスフッド博士とその奥方ですが、奥方の友達たちは、マルタの魔女たちというあだ名がある、興味深い方々でした。
 彼女たちは東洋の「気」や呼吸法の世界に明るく、アジアの人々と話しているような気安さがありました。とくに長老の魔女とは意気投合してしまいました。彼らはマルタ島では異端のようです。
 さて最初の写真は、ハジャー・イム神殿です。この神殿は長いこと砂に埋もれていたため、かなり古代の姿を残しています。つまり修復はほとんどされていません。
 この風化された巨大な壁は海に面する南側にあります。
 ハジャー・イム神殿は今から5100年前頃には存在したと言われています。つまりエジプトの大ピラミッド群よりも大分前です。
 マルタの巨石文明が滅びてから、エジプトに巨石ピラミッドなどが生まれていますから、エジプト文明に大きな影響を与えていることが考えられます。
 ハジャー・イム神殿は、マルタを代表する巨石神殿です。丘の上に立つ神殿の背の高い岩は、高さ7メートルで重さが20トンもあるあそうです。これらの石は数キロ離れた石切り場から運ばれています。
 マルタ島は小さな島ですが、神殿遺跡が24もあります。また崩壊している遺跡を含めると40を越えるそうです。つまりマルタ群島は、6000年前頃からの「神殿の島」なのです。
 2枚目、3枚目は神殿内部ですが、最後の写真を見るとわかりますが、クローバの葉のような内室は馬蹄形、あるいは半円形です。壁の柔らかな曲線は一種独特ですよね。
 昔は屋根もあったと考えられていますが、その理由は、この島の地底に、似たような神殿が幾つか発見されているからです。その代表的な地下神殿の写真は来週、お見せします。
 ハジャー・イム神殿の近辺にも地下神殿があると昔から噂されているのですが、まだ発見されていません。
 ハジャー・イム神殿のある丘を下っていくと、イムナイドラ神殿があります。イムナイドラ神殿の先の海上にはフィルフィラ島が浮かんでいるがよく見えます。フィルフィラ島と本島の間には海底陸橋が沈んでおり、昔は陸地でつながっていたものが3500年前の地震で陸橋が沈んだそうです。この地震でマルタ島の神殿文化が滅びたと考える学者もいます。
 イムナイドラ神殿は太陽の運行に合わせて作られています。夏至と冬至の夜明けには、光のショーが見物できるのだそうです。それも演出されたショーで、ひらめく旗のイメージが、神殿内室の巨石の壁に浮かぶということです。建造した人たちが、天文学の知識をいっぱい持っていたのは明らかです。
 さて、5枚目の写真は、隣のゴゾ島にあるマルタ群島最古の神殿ジュガンティヤの内部です。巨人が作った神殿と言う意味ですが、この神殿も1827年に発掘されるまで長いこと砂に埋もれていました。写真を見ると、まるで近年になってサンゴでも積み上げたように見えますが、実はオリジナルが残っており、修復の手は入れられていません。つまり6000年前の建造物が風化して、そのまま現在も立っているわけです。
 この写真だけではジュガンティヤ神殿の壮大さがわからないのが残念です。内部には2つの神殿があり、床には敷石が詰められています。神殿の壮大さを示すには空中からの写真が必要ですが、残念ながら撮影していません。
 6枚目はハジャー・イム神殿の主要な入り口です。
 7枚目は遠景ですが、イムナイドラ神殿に向かう途中で振り向いて撮影したものです。
 8枚目は再びジュガンティヤ神殿です。左の壁の高さは7メートル以上あります。
 最後の写真はハジャー・イムを上から見たものです(Malta Prehistory and Temples by David H. Trumpから借用)。ユニークな形ですね。なにやら蚕がうごめいているようですが、有機的な感じがします。何を参考にしてこのような神殿を造ったのでしょうか?
 似たような建物は北アフリカにも有ると言うことです。
 マルタ語はアラビア語に近いのだそうです。マルタ人の気性はかなり荒いらしく、「サッカー? あんなのは女々しいハンサム男がするスポーツだ」と観光局の優男(やさおとこ)が言っていました。
 夜、酒場に行くと、若者も中年も一緒になって、ゴーゴーダンスを踊っており、人々は友好的でした。ホテルのプールサイドでは70歳過ぎのオバーチャマがトップレスで日光浴をしていますし、港に行くとしゃれたレストランも多く、やはりここは地中海の避寒地です。

(つづく)

これまでのコラム
kitombo.com