
ボロブドォールはインドネシアのジャワ島中央部、京都のような古都ジョグジャカルタのそばにあります。
高校生の時から、ボロブドォール遺跡にはあこがれを持っていて、いつか見に行くぞ、と決めていました。
ところが、インドネシアのスラバヤ市に2年間住んでいて、一度も見に行きませんでした。
スラバヤ市からジョグジャカルタまでは飛行機で45分。車で5〜6時間ですから、いつでもいけたのですが・・・。

当時、ボロブドォール遺跡は修復中であり全部を見ることができないという事情もありました。でも、子育てと仕事に没頭しており、行きそこなった、というのが本当のところでしょう。
そのかわりバリ島には5〜6回行っています。
さてボロブドォール遺跡ですが、建造されたのは西暦七五〇年頃と考えられています。
アンコールワット寺院群の最古のものと似た年代ですが、お互いに影響しあっていたことが伺われます。

とくにジャワから、ヒンズー教・仏教の文明がカンボジアに伝わったようです。
ボロブドォール遺跡の正面には獅子像がありますが、まるで大ピラミッドの前の大スフィンクスですね。大きさは異なりますが・・・。
ボロブドォール遺跡は歳差運動の数字を建物に取り入れていることで有名です。同じことはアンコールトムのバイヨン寺院にも言えます。
歳差運動とは太陽と月の引力などで起こる、地球本体の独特な回転現象です。

北極と南極を結ぶ線を地球の軸とすると、この軸の両端が旋回運動をしているのです。
この旋回運動のために、地上から見ると、星空が定期的に回転しているように見えます。
でも、この動きは長いあいだ観測しないとわかりません。なぜなら、旋回を1回するのに2万5776年もかかるからです。
古代エジプトや古代シュメール文明の人々は、この現象にすでに気づいていました。
現世人類が地上を歩くようになってから12万年は経っていますが、抽象的な思考を初めて、洞窟壁画や装飾品を作り始めたのは3万年前です。この頃には既に歳差運動にも気づいていた様子が窺われます。

さて、歳差運動の数字とは、72、104、432、504などですが、この数字がボロブドォール遺跡やバイヨン寺院に意識的に使われているのです。たとえば72という数字は、太陽が歳差運動により、天の黄道にそって1度移動するのに必要な年数です。あるいは2万5776年を360度でわけると、ほぼ72年になります。円を360度とする習慣も起源は不明ですが、太古から使われています。
ボロブドォール遺跡では、東西南北に写真のような仏龕(ぶつがん)が配置され、仏像が安置されていますが、その数が歳差運動の数字になっているのです。それ以外にも、いろいろなところにこの数字が表れます。

そう、ボロブドォール寺院もバイヨン寺院も、宇宙を表現している寺院なのです。
ボロブドォール寺院の壁画は、アンコールワット寺院群の古い寺院の壁画と似て、深い彫りになっています。写真のようにアンコール寺院の天女アプサラスとそっくりな女神も彫刻されています。
船の彫刻をよく見ると、人が20名は乗船していますし、アウトリガーや帆がついていますし、そうとう大きな外洋船であることがわかります。西暦700年には、この辺りで相当活発に航海をしていたと思われます。

最後の写真はボロブドォール遺跡と同じ頃に建造されたヒンズー教の寺院ロロ・ジョングランです。ボロブドォールから20キロほど離れていますが、この建物もアンコールワットを思わせますね。でも建築方法はまったく異なっているのですが・・・。