kitombo.com | 今週の疑問 | 2003年3月2314日
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今週の疑問
「国際派ビジネスマンの旅行術(4)」

(1989年に日経ビジネスに掲載)

大地舜
3月31日


契約社会の交渉術
 スーパー301条などの件に絡んで、日本はアメリカから、よく「アンフェアだ」と言われる。実はこの言い方は、契約社会の交渉術の一つで、筆者もよく使ってきた。
 何かの交渉をしていて、どうもよく分からないが、何だかうまく騙されているような気がするときがある。また、どうも相手は自分勝手なことを言っているな、と感じたときに「イッツ・ノット・フェア(It's not fair)」と、言ってみることである。
 相手は血相をかえ、真剣に彼が「フェア」であることを証明してくれるはずだ。「アンフェア」だと言われることは、契約社会の住む人にとって、我慢できないことなのだ。なぜならそれは「あなたは契約社会に住む資格が有りませんよ」と、言われているのと同じだからだ。
 だが、調和社会の住人である我々は、相手から「アンフェアだ」と言われても、「あっ、そお?」という程度で、余り骨身に感じない。そして、フェアであるかどうかよりも、相手との調和が出来るかどうかが気になる。
 これは、日本政府のアメリカ政府への反応を見ても同じだ。
 日本側にとっては、アメリカとの間に波を立たせないこと・・・、つまり「調和」が第一なのだ。そして、「フェア」、「アンフェア」などということは二の次である。従って、「アメリカさんは、構造問題だの何だの煩わしいことを言ってくるが、仕方がない、妥協して調和が図れるなら、我慢しましょう」というのが基本的態度。そこで基本理念はそっちのけで妥協に妥協を重ねることになる。
 一方アメリカは、日本側が真剣になって「フェア」であることを証明してくれると期待していたのに反応が鈍く、「日本はずるい、適当にこまかして、アンフェアを続けようとしている」と、感じてしまう。
 このように、調和社会と契約社会は全く物の見方、考え方が違う。従って北米に来て契約を結ぶときはよくよくの注意が必要。
 契約は公平でなくてはならないと言っても、立場によって公平の解釈が違うことは当然のこと。従って、自分にとって、あるいは自分の会社にとって、「フェア」であるかどうかを綿密に検討しなければ、後で後悔することになる。金額の大きな契約では、専門の弁護士のアドバイスを頼むのは当然のことだ。

男性中心語に注意!
 雇用機会均等法の成立に見られるように、日本でも最近は女性の地位向上に対して大きな注意と関心がはらわれてきている。ことに、女性蔑視につながるような男性中心語の使用に関しては厳にその使用をつつしむべきだろう。諸外国においてもこの傾向は年々強まっている。
 男性中心語を使うな!という運動は、やはり北アメリカが発生の地。おかげでただでさえ苦労している英語がまた難しくなった・・・と愚痴を言うと、すかさす女性軍から「礼儀を知らないのね」と、攻撃されるご時世である。
 蔑視につながるような言葉は、女性に対してだけでなく、少数民族、身体障害者などに対しても使われており、それらすべてを改善しようというのが、この運動の試みだ。
 例えば、マンパワー・ショーテージ (Man power Shortage:人手不足)という言葉は、男だけを示しているように感じられる。従って、レーバー・ショーテージ(Labour Shortage)と、言わなければいけないことになる。
 また、Mrs. Thatcher and George Bushと言ってもいけないそうだ。この場合は、Mrs. Thatcher and Mr. Bushと言うか、あるいは、Margaret Thatcher and George Bushと言うべきだそうである。
 確かに男性中心語をなくすのは大切なことだし、礼儀にもかなっていると思う。しかし、一国を代表する首相や大臣が在任中に、平気で人種差別や女性蔑視の発言をするお国柄の住民である我々は、よほど気を付けないと、使ってしまいそう。そこで、以下に主な男性中心語の一覧を掲げてある。
 筆者と一緒に勉強していただけたら幸いだ。ほんのチョットした、英語の使い方で、軽蔑されたり、嫌われたりしてはつまらない。

注意すべき用語一覧
a:現在使われている語法
b:これから使うべき語法
c:日本語訳

a: Businessman
b: Business Executive
c: 会社員

a: Cameraman
b: Photographer
c: 写真家

a: Chairman
b: Convenor
  Chairperson
c: 会長、議長

a: Fisherman
b: Angler
c: 漁師、釣り人

a: Foreman
b: Supervisor
  Overseer
c: 監督

a: Mankind
b: Humanity
Human beings
c: 人類

a: Maid
b: Cleaner
c: お手伝いさん

a: Manhole
b: Access Hole
c:マンホール

a: Man hours
b: Work hours
c: 労働時間

a: Oneman show
b: Solo Performance
c: 独演

a: Policeman
b: Policeofficer
c: 警察官

a: Salesman
b: Sales representative
c: 営業マン

a: Spokesman
b: Spoke Person
c: 代表者

a: Statesman
b: Diplomat Leader
c: 政治家

a: Tradesman
b: Trades person
c: 商人、職人

a: Workmanlike
b: Skillfu1
c: 熟練

(参考資料:Guidelines for Non-discriminatory Language by Water Resources Commission, Australia) (つづく)

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