kitombo.com | 今週の疑問 | 2003年4月7日
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今週の疑問
「国際派ビジネスマンの旅行術(5)」

(1989年に日経ビジネスに掲載)

大地舜
4月7日


食事の席では?
「日本食しか駄目なんですが」と、言う方が居るかもしれない。だが、国際派のビジネス・エグゼクティブたる者、初級の段階から、「日本食無し」の世界に挑戦することをお薦めする。
 日頃から洋食に慣れる努力も必要なのだ。日本で一週間ほど米飯無しの洋食生活をトライしてみたらいかが? 1カ月ならもっとよい。
 外国で外国人に愛される第一歩は、まずそこの土地の食事を「うまい、うまい」と言って食べるところから始まるのだから……。
 それに土地の人々が食べているものを食べるほうが、はるかに安くつく。インドネシアに2年間住んだとき、徹底的に現地食にしたら、体重は減るし、コレステロールは貯まらない。たちまち健康になった経験がある。つまり、慣れるまではおいしくなくて量が少ないし、粗食なのでたちまちやせた。
 もっとも、同じことをオーストラリアでやったら、牛肉のバーベキューの食べ過ぎで、たちまちコレステロールに赤信号。でも、日本食を食べるよりは安くついた。

買い物の楽しみ
 北米旅行のもう一つの楽しみはショッピング。
 行く土地によって、その土地独特の面白い品物が沢山あるが、そう各地に足を延ばせなくても、せめて、いたるところにある大ショッピング・センターには行ってみよう。
 アメリカでのショッピング作戦の第一は、メイド・イン・USAを買うことだ。アメリカのお店の品揃えは個性的。例えば、ジーンズひとつとっても、日本のお店だとその時流行している物しか置いていないが、あちらには個性派のあなた向きに奇抜なものが色々とある。
 第二の作戦は、日本で見たこともない洒落たものをできるだけ買って来ることだ。アメリカは、今でも文化の発祥地。アメリカで成功したアイデアは、半年遅れで必ず日本にやって来る。
 昔はやった「ディスカバー・ジャパン」のキャンベーンも、アメリカの「ディスカバー・アメリカ」キャンベーンのもの真似だし、「ゲバゲバ90分」というテレビのお笑い番組も、当時アメリカで人気の有った「ラーフィン」という番組の日本版。そして、日本の遊園地にある、逆さまに走るジェット・コースター、インラインスケーティングも、元はといえば、アメリカではやったものだ。だからあなたも、日本の流行の先取りが出来る訳である。
 第三の作戦は、日本では高く、アメリカでは安いものを買って帰る事である。お薦めの第一は、銀食器。日本で売られている価格の半分以下の値段で手に入る。
 その次に挙げられるのが、スボーツ用品だ。ゴルフセット、テニスラケットはもちろんウインド・サーフィンなどの道具も日本よりは安いはずだ。(2003年現在の円安では無理か?)

税関でひっかからない、為に
「どうも、お仕事ご苦労さまでした」
 日本の税関でそういわれて、ノーチェックで通ったのは、だいぶ海外旅行に慣れてからだ。若い頃は、ヒッピーまがいの格好で通ろうとして税関に捕まり、徹底的に検査された事もある。それ以来、日本に帰国するときは、きちんとした身なりをすることにしている。
「どうも、お仕事ご苦労さまでした」と言われた冒頭の話は、国際会議の裏方の仕事の後、タイプライターを抱えて帰国した際の事。このタイプライターが効いたのだ。(2003年ならパソコン?)
 現在の筆者の方針は、正直に申告をし、税の掛かりそうなものはひとまとめにして袋に入れ通関時に見せることである。
 有難いことに、金満大国日本には何でもあり、今どき、税関に捕まるリスクを犯してまで持ち込みたいものは、それほどないと思うがいかがだろう。 (終わり)

* * *

 14年前に書いた記事だが、現在でも大きくは変わっていないと感じた。
 この記事は北米への旅行者を対象にしたものだが、中国や、タイやインドへの旅行者を対象にしたものを書かなければいけないようだ。さらにはテロや危険な肺炎への対策、飛行機でどこに席を取るか、など、まだまだノウハウはいろいろある。
 それにしても日本人のコスモポリタン(世界人)は、現在も極めて少ないと思う。最近の日本人の意識はさらに内向きになっており、国粋的な人々が増えている。
 日本人のコスモポリタン(世界人)はなぜ育たないのだろう。
 簡単なことなのだ・・・人種や皮膚の色や文化の違いにとらわれず、ただ、対面する人物の本質を見抜く力があればよいだけなのだ。
 もっとも、そのためには、誰でも掛けている色眼鏡をはずさなくてはならないが・・・。
 まず、自分がどんな色眼鏡をかけているかを認識しなければならないのだが、それには、客観的に自分を(日本人を)見る必要がある。客観的に自分の(日本人の)奇妙でおかしな姿を笑ってみる必要があるのだ。
 もっと多くの日本人が、この小さな国から飛び出して、世界でもまれる必要があるようだ。そして、自分が典型的な日本人であることを悟り、日本人としての文化的限界を知り、それから異なった文化を理解し、世界人となる修練を積むことが望ましい。

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