エレクトリック・ユニバース理論とは、このプラズマ宇宙論が正しいと言う前提に基づき、宇宙の謎のみならず、神話をも解き明かそうと言うものだ。ここから先は、かなり異端の理論である。エレクトリック・ユニバース理論の発端は、異端の天才科学者イマニュエル・ベリコフスキーに始まる。ベリコフスキーは、1950年「衝突する宇宙」と言うタイトルの本を発表したことで知られる。彼は古代の記録に残る天空の描写に注目し、宇宙は我々の想像するほど穏やかではなく、太古に太陽系の大激変が起こったと解いた。
ベリコフスキーの思想を受け継いだ一部の人々の間で、1999年にまったく新しいパラダイムとして、エレクトリック・ユニバース理論が提唱されたのだ。彼等によると、電気力、磁力、重力などを再考したところ、電気力こそ根源の力で、その他は電気力から誘発された物だと言う。ベリコフスキー自身、晩年にこのことに気づいていたと言う。
エレクトリック・ユニバース理論によると、さきほど出て来たプラズマ・フィラメント中を流れるバークランド電流が重要な意味を持ってくる。
1997年5月のニューサイエンティストで不思議な金星の磁力の尻尾についての発表がなされた。太陽と正反対に延びた尻尾は、細い紐状のもので構成されていたと言う。これは、太陽からのプラズマの流れを、風のように捉えていた天文学者を困惑させた。しかし、エレクトリック・ユニバース理論によれば、この紐状の構造こそ、プラズマ・フィラメント中を流れるバークランド電流の直接の証拠で、宇宙規模で電量が流れている証拠だと言う。

エレクトリック・ユニバース理論では、太陽系のような星の運行から星の輝きまで、電磁気現象で解明できると言う。何と、太陽の輝きは、太陽中心核における水素の熱核融合によるものではないと言うのだ。その証拠に、太陽から放射されるニュートリノの謎に触れている。太陽ニュートリノは、核融合により生じるとされるが、実際の観測量は理論による予測量より遥かに少ない。しかも、観測されるニュートリノの量は、太陽表面の黒点の量が増えるとわずかに減少すると言う。実は、この変動こそが太陽ニュートリノが、太陽中心の熱核融合で生じているのではない、何よりの証拠だという。
ニュートリノとは、レプトン(軽粒子)の一種で中性微子とも呼ばれるが、一光年の岩盤でもやすやすと通り抜けてしまう不思議な性質を持っている。太陽ニュートリノが、太陽中心の熱核融合で生じているとすると、常に安定した量が放出されているはずである。それが、太陽表面の黒点の増減で変動するとは、いかなる状況を考えてみても起こりえないと言う。
更に、太陽の熱と光は内部の核融合で発生しているのではないらしい。太陽の熱と光は、太陽の電荷のチャージレベルと周辺宇宙のチャージレベルの差により、太陽表面のプラズマ・フィラメントにバークランド電流が流れているため発生しているのだ。実際の太陽黒点を撮影した最も鮮明な写真には、細長いフィラメント状の構造が見て取れる。
そして、太陽表面の高温プラズマは、熱核融合を引き起こすのに十分な温度を持っていると言う。つまり、ニュートリノは、太陽表面での熱核融合により放出されているのだ。太陽の黒点は、表面を覆う高温プラズマ層が途切れ、内部のより温度の低い部分が見えているに過ぎない。したがって、高温プラズマ層が少なくなり黒点が増えるに従いニュートリノの放出量は少なくなる。
太陽を覆う薄い大気層のコロナの温度が、100万度以上もあるのは、太陽表面から常に熱が供給されているからに他ならないのである。
エレクトリック・ユニバース理論によると、恒星の輝き方を決定付けているものは、その内部構造ではなく、恒星と周辺宇宙空間との電荷のチャージレベルの差に過ぎないという。青白く輝く星は、単にチャージレベルに大きな差がある状態にすぎないのだ。よって、銀河の回転運動などで恒星の位置関係が変わり、チャージレベルが変化すると恒星の輝きも変化するという。
彼等よると、重力自体についても普遍的な定数ではないと言う。重力は、物質の電気的側面の一つにすぎず、無の空間には影響を与えないらしい。重力は、原子核の静電分極によって起こる瞬間的な静電力である。したがって、太陽と惑星間で、プラズマテイルを通じてやり取りする電荷次第では、重力は変化し、それに合わせて軌道さえ変化すると言う。
つまり惑星の運動も、電荷のチャージレベルの違いで決定されており、宇宙の電気的環境次第では、惑星の軌道の変化が速やかに発生するという。更に過去においては、実際に惑星の軌道が、かき乱され太陽系規模での放電現象が吹き荒れたと言う。太陽系の惑星上に残された不可解なクレーターや、謎の溝、火星の渓谷等、すべて過去における太陽系規模での放電現象、つまり雷で形成されたのだ。
ベリコフスキーが著書「衝突する宇宙」の中で指摘した太陽系規模での大激変は、すべて、宇宙の電気的環境の変化で説明できると言うわけである。彼等の、この主張はアメリカの物理学者ラルフ・サンズバリーによる新しい理論「A New Classical Physics」 に基づいている。ラルフ・サンズバリーは、現在の量子力学ではなく、もっとシンプルでクラシカルな原子モデルに基づき、物質の構造、磁気、光、重力などを、わかりやすく説明できる理論を提唱している。ラルフ・サンズバリーによると電子は、基礎的な素粒子ではなく、構造をもっていると言う。近年の加速器による実験でも、このことを裏付ける証拠が挙がっているらしい。
サンズバリーによるこのモデルによると、多くの物理現象が単純に説明できると言う。もはやアインシュタインの難解な時空理論やオカルトよりも過激な量子力学は必要なくなるのだ。ラルフ・サンズバリーの理論を簡単にまとめると次のようになる。
- 光が粒子と波の性質を持っているというモデルは間違いである。
- 光は、瞬時の静電現象である。よって電磁波は存在しない。
- 磁力は、電子と電場のひずみから生じる交差する静電力である。
- 重力は、原子核の静電分極によって生じる瞬時の静電力である。
- 時間旅行の可能性は無い。
- 原子核を回る電子の軌道は、電子と原子核間の瞬時の静電力によって維持されている。
- 遠くの宇宙を観測する時、過去を観測している事にはならない。