kitombo.com | カルタゴ皇帝ゴンの世界 | 2004年4月5日
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カルタゴ皇帝ゴンの世界
「海の人類史13」

カルタゴ皇帝ゴン
4月5日

海の道
 忘れてはいけない。ヒトは海辺で進化したのだ。一般に海洋民族の登場は、人類が船を発明して航海技術を発達させ海に乗り出したことに始まると考えられている。しかし、これは人類が陸生動物だと言う、前提があるからに過ぎない。元々海辺で進化し、水を好んだ人類は、そもそも海洋民族として始まったのだ。逆に技術が発達してきたがゆえに、海を離れて内陸部にまで進出したと捉える事が出来る。
 こう考えると人類は、非常に早い段階で航海を行っていたに違いない。何しろ、筏やアシ舟でさえ大航海が可能な事は、実験で証明されているのだ。海辺で暮らす現代人の集団が、6万年前に船或いはイカダでアフリカからオーストラリアに直接渡ったと仮定すると、どうだろう。忽然とモダンな現代人がオーストラリアに出現した事の謎が見事に解ける。
 これ以外のルートでは、アフリカに誕生した現代人が、オーストラリアに6万年も前から住んでいた事実を説明する事は、とうてい不可能である。そもそも、先ほども述べたようにオーストラリアへ渡る為には、どのみち航海をする必要があったわけだし、「小さな航海か」「大航海か」と言う量だけの問題である。
 もちろん、この事が陸路による出アフリカを否定するものでは無い。当然、中近東を通り世界各地に散らばっていった現代人集団もいた事は間違い無い。陸路による移住は、当然それなりの時間を要するはずである。ヨーロッパに現代人が現れたのが4万年前なら、アジアへの進出には、更に時間を要した事は、容易に想像がつく。
 そして、アジアには北京原人やジャワ原人の子孫にあたる様々なタイプの古代型ホモ・サピエンスが既に住み着いていた。アフリカを出発した現代人は、アジアの旧人類たちと、時には戦い、時には融和を繰り返しながら拡散していったに違いない。その過程で、アジアの現代人は、北京原人やジャワ原人が持っていた古い形態的特徴を取り入れていったのだろう。やがて、陸路アジアに拡散していった現代人は、ついに2万年前オーストラリアに到達した。
 既に解剖学的現代人レークマンゴー人の住むオーストラリアに、ジャワ原人などの古い形質を備えた現代人カウ・スワンプ人が現れたのだ。オーストラリアでの逆転現象を解き明かすカギはここに有ったのだ。
 その後も幾度となく現代人の波は、オーストラリアに打ち寄せたはずだ。現代人への進化の大きなうねりは、徐々にオーストラリア先住民から古代型ホモ・サピエンスの特徴を消し去っていった。しかし、完全にではない。こうして、世界で最もユニークで独特な特徴を備えたオーストラリア先住民アボリジニが誕生した。

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