kitombo.com | 三神たけるのお伽秦氏 | 2002年4月8日
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三神たけるのお伽秦氏
「阪神タイガース」

三神たける
4月8日

 中日の黄金時代を作った星野仙一監督がユニフォームを縦じまにして臨んだ、2002年のプロ野球。なんとも、記録的な連勝で、まさに乗りに乗っている。このままいけば、本当に阪神タイガースが優勝することも、まんざらでもなさそうだ。
 竜から虎へ。ここに、筆者は何か神秘的な思想を垣間見た。この国の中心は、今でも京 都である。京都こそ、天皇が住まう日本の霊的首都である。かつては、奈良にも都があっ た。琵琶湖のほとり、大津にもあった。概ね、日本の都は京都と奈良を結ぶ南北線上に位 置している。
 南北線が重視されるのは、北が天帝の住まいであり、天子は南面するからだ。多少のブ レを別にして、この京都・奈良ラインを天皇の南北軸とすれば、中日の本拠地である名古 屋は東、阪神の本拠地である大阪・神戸は西になる。道教の四神相応において、東の守護 神は青竜。中日ドラゴンズは青をイメージカラーにしている。一方、西の守護神は白虎。 いうまでもなく、阪神タイガースは白を基調としている。これは偶然ではあるまい。
 中日ドラゴンズが龍をメインキャラクターにしたのは、オーナーが辰年生まれであった からだという。なんだか、後付のような理由だが、干支にゲンを担ぎたくのは、何もドラ ゴンズだけではない。阪神タイガースも、同様。毎年、初めの寅月には、関係者一同、お 寺にお参りに行くという。
 しかも、そのお寺は、きちんと決まっている。奈良の信貴山にある朝護孫子寺である。 ここのご本尊は、毘沙門天という。戦いの守護天としても知られるが、面白いことに、毘 沙門天は信貴山に、寅年寅月寅日に出現したというのだ。トラ・トラ・トラである。阪神 タイガースの関係者がこれにあやかっていることは、いうまでもない。
 なるほど、信貴山は寅にゆかりが深いのか。普通なら、これで納得してしまうのだが、 ちょっと待った。毘沙門天を調べていくと、寅年寅月寅日に出現したという例は、信貴山 のほかにもある。有名どころでいえば、京都の鞍馬寺である。ここのご本尊である毘沙門 天もまた、寅年寅月寅日に出現しているのだ。
 どうも、寅年寅月寅日とは、毘沙門天そのものに由来する特殊な年月日であるらしい。 寅が3つ重なるゆえ、この日を「三寅」と呼びならわすこともあった。三寅の日に生まれ た子供は英雄になるともいわれた。源義経やチンギス・ハーン、それに茂在寅男。かくも ありなん。
 しかし、不可解なのは、毘沙門天をいくら調べてみても、寅年寅月寅日に関する因縁は 、どこの経典にも出てこない。毘沙門天のインドでは、クベラと呼ばれる。財宝の神であ り、北方のヒマラヤ山脈に住むとされる。北方の守護神という意味では、確かに京都の北 方に位置する鞍馬寺のご本尊にあった理由は、わかる。ひょっとすると、クベラがクメラ となり、クマラ、クラマと転訛した可能性だってなくはない。
 が、虎に限っては、まったくわからない。インドには、虎やライオンにまたがった神々 はいるが、クベラが虎にまたがっているという話は聞いたことがない。毘沙門天と虎が結 び付けられるのは、ここ日本だけなのだ。となると、毘沙門天は「トラ」という日本語の 響きに、何か重大な縁起をもっている可能性が出てくる。
 毘沙門天は別名を多聞天という。仏法を守る四天王のひとりだ。四天王は、ほかに広目 天、持国天、増長天がいる。学説によると、これらはもともとひとりの神の属性を4つに 分けたものであるという。で、その神というが、古代アーリア人の太陽神「ミトラ」なの である。
 ミトラと三寅。日本語では、同じ響きである。毘沙門天のルーツがミトラにあり、それ に三寅という漢字を当てた結果、寅年寅月寅日に出現したという縁起が誕生したとは考え られないだろうか。
 いったい、だれが。鞍馬寺の創建には、秦氏の影がある。京都における秦氏の本拠地は 太秦にあった。太秦には、秦氏の氏寺である広隆寺がある。広隆寺の本尊は、国宝第1号 にもなった仏像で知られる弥勒菩薩である。弥勒のサンスクリット語はマイトレーヤとい うが、これはミトラのことなのだ。弥勒は毘沙門天と同じく、ミトラの分身なのだ。
 しかも、かつて広隆寺の境内にあった大辟神社の祭りである牛祭りで登場するのが、マ タラ神という。マタラの正体は、ミトラである。さらに、マタラ神の周りには4人の鬼が おり、彼らは四天王と呼ばれている。この祭りを始めた人間は、ミトラと四天王の関係を 知っていたに違いない。
 いうまでもなく、犯人は秦氏だろう。秦氏はユダヤ人原始キリスト教徒の末裔である。 深遠なる神秘思想カッバーラを手にしていた。カッバーラにもとづいて、あらゆる宗教の 根幹にある根源的な思想を見抜いていた。彼らは、仏教に混入したイエス・キリストの影 を見逃さなかった。
 いずれ詳しく述べるが、アーリア人の宗教におけるイエス・キリストとは、太陽神ミト ラである。ミトラは古代ローマ帝国で密儀宗教、ミトラス教となった。ミトラス教の教義 は、ほとんど原始キリスト教と共通する。そもそも、クリスマスの12月24日はミトラスの 祭日だったのである。
 恐らく、西アジアにいたころ、秦氏は、それを知っていた。だからこそ、ミトラが仏教 において、弥勒菩薩となったことも、四天王となり、毘沙門天になったことも、見抜いて いたのだ。だからこそ、毘沙門天の正体を暗示するがごとく、寅年寅月寅日に出現したと いう伝説を作り上げたのではないだろうか。
 そして、今日、寅の奥義は、阪神タイガースの関係者並びに多くのファンの人間にも受 け継がれているのである。
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