kitombo.com | ミャンマー奮闘記 | 2005年5月16日 
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ミャンマー奮闘記
「プライベート管理しすぎじゃない?」

豊川真由
5月16日

プライベート管理しすぎじゃない?
 「ミャンマーに行く」と言うと、友達はこぞって「珍しい国に行くね」「危険じゃないの?」「怖くない?」「気をつけて」と言う。行くまでは「銃を持った偉そうな軍人がたくさん歩いていて、一般人は脅えたような眼差しで路地に座り込んでいるような恐ろしく悲しい国に違いない」と勝手なイメージを描いていたが、実際は違った。びっくりするほど治安はいい。市場は活気に溢れ、町には多くのレストランが軒を並べている。そこは軍人を探し出すことの方が難しいほど平和で、あたり前のように外国客もいる観光地だった。
 しかし、どこか違うと思わせる点もある。路上に日本のような公衆電話は無かった。確かに電話台はあるが、横に電話係の人が座っていて、ダイヤルした番号と通話時間をメモし、話をしっかり聞いている。インターネットカフェは存在するものの、自分で文字を打ち込める場所は少なく、係りの人に言葉を伝えて代打してもらう。恋人にラブラブのメールを送るのも躊躇するだろう。通信機関にプライベートは無い。政策の一環らしいが、やり過ぎではないだろうか。これでミャンマーの人はのびのび生活できているのだろうか?管理されている感がぬぐえず、あまり自由な気がしなかった。

日本の物は大人気
 写真:2  街を歩いていると日本語をよく見かける。書いてあるだけでその物に高級感と高品質感をプラスするらしい。中古車もほとんどは日本から輸入されている。空港の滑走路を走るバスには「扉の開閉に気をつけて」と注意書きがあった。街には「江ノ電」と書かれたバスも、TOYOTAのつもりだろうがAOYOTAと書かれたトラックも、「東京新聞」と書かれた車も走っていた。市場では「愛媛県産みかん」と書かれた新しいダンボールに「じゃがいも」を詰めて出荷していた。デパートの傘コーナーに飾ってある写真はミャンマーの俳優が京都の金閣寺の前で傘をさしているものだった。「いいだろ」と書かれた和風のTシャツを着ている人もいた。「日本-台湾最新流行淑女服飾」と書かれたお店には日本製の服は一枚もなかった。なんだかおかしい。しかし、この「いいかげん」な感じが楽しくもあり、とても微笑ましかった。誤字によるおかしな誤解を与えないのなら、このままそっとしておきたいと思った。

ボロボロの車、不恰好な車
 NISSANと書かれたタクシーに乗った。日本の検査商標はそのまま貼ってある。ドアはもちろん手動だ。ロックは壊れていてかからない。ハンドルはなく、窓の開け閉めができなかった。メーターは常に0キロ。時速何キロで走っているか分からない。カーステレオはなく、配線が何本もむき出しになっていた。床に空いた小さな穴から道路が見えた。クッションのバネは曲がっていて、座るとキーキーと音を立てた。
 そんなボロボロの車でも、ミャンマーの人はまったく気にせず乗っている。いつ故障するか分からないと思うとちょっと怖かったが、「使えるものは完全に壊れるまで使う」という気合いの入った使いっぷりが気に入った。いつの日か経済が発展してミャンマーに車の生産工場ができたら(現在は無い)このような車は無くなってしまうだろう。貴重な体験をした気がする。
 ミャンマーの街を走る車を見てどこか変だと感じた人は多いだろう。後ろが上がっているため、前につんのめったように見えて不恰好なのだ。サスペンションを調整して、わざとタイヤとボディの間を広げているらしい。びっくりしていた私にミャンマー人はびっくりしてこう言った。「後ろに荷物をたくさん乗せるんだから、あたり前じゃない?」
 確かに理に適っている。しかし、ちょっとかっこ悪い。デザインよりも機能重視なのは分かるのだが…。そう思いつつも、毎日見ているうちに、日本の車はどうしてこうしないのだろう?と思ってきた。「感覚麻痺」という言葉があるが、本当だ。

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