新川鼻人面石詳細報告
第二部:自然か人工か?
だが、自然は時として実に奇妙な造形を生み出す物である。まるで人の手が加わったように感じられる事も少なからずあるものだ。
黄トンボでは、まず考古学の権威であり沖縄県立埋蔵文化財センター所長 安里嗣淳氏に話をうかがった。安里氏によると砂岩の中に ニイブ(沖縄の言葉で骨状)が混ざりレンズのように剥がれると、目のように見えるらしい。
沖縄本島、泡瀬の県総合運動場の海岸にあのような目に見える穴がたくさんあるという。

早速、黄トンボ事務局綿貫信一氏と鈴木旭氏が、ニイブが多く見られるという海岸に出向き、撮ってきた写真が写真5である。確かに目玉状の構造物ではあるが、人面石のそれとは、いささか異なるようである。
更に、人面石に興味を抱き、独自に調査を行った琉球大学教授木村政昭氏にも意見を伺った。木村氏といえば、言わずと知れた与那国島水中遺跡研究の第一人者である。木村氏もやはり、安里氏同様に人面石の目玉は、層間異常と呼ばれる堆積構造なら自然でも形成されうると言う事だった。普通、地層は平行にたまるが、大地震あるいは津波などの折斜面を荒い堆積物が滑り落ちてきてあのようなブーディン(ウインナー)状の目玉構造を作ることがあるという。
木村氏は、突き出した舌状の構造物ついても人が設置した可能性は十分考えられるが、偶然に収まったという可能性を否定する証拠にはならないという。上部の杯状穴についても自然に形成されることがありうるという。

しかし、私がこの人面石に人の手が加わっていると確信したのは、目や杯状穴などの個々の構造物ではない。この人面石は、新川鼻付近の山頂部に近い斜面にあるのだが、底面は完全に平らで、複数の上面が平らな石で水平に支えられているのだ(写真6)。「巨石が山の斜面を転がってきて、偶然に散乱していた石の上に乗り収まった」と考える向きもあるかもしれない。もしそうだとしたら、人面石の底面と、支えている石の上面が、完全に平面であると言う事実を説明できるだろうか?
目や杯状穴などについても、個々のパーツは確かに自然でも形成しうるものだと考えられる。しかし、これらの自然に形成された構造物で、偶然にも2面にハッキリした人面が浮かんでくるだろうか。鈴木氏によると更に、南東面にも崩れているが人面が浮かんでいるという。おまけに人面石の上部には、杯状穴まであるのだ。これほどまでに、奇妙な構造体が一つの巨石に集中する事があるだろうか。
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