kitombo.com | ドクターいわくらの不・思・議・探・検 | 2004年3月15日
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ドクターいわくらの不・思・議・探・検
「宮崎旅行/霧島編(続)」

あきら@すずき
3月15日

○社殿が先か、磐座が先か
 霧島神宮元宮に辿り着き、社殿跡を見学しながら、私は2つの点で違和感を覚えていた。理由ははっきりしないけれども、何となくすっきりしないという感覚があった。いったい、それが何なのか。何を意味するのか。初めのうちはまったく判らなかった。旅行が終わり、東京に戻って来てからも、しばらくの間は何なのか、判らなかった。
 それが最近になって、ようやくはっきりしてきた。1つは社殿跡の南端に鎮座する磐座がまだ新しく、社殿を建造する際に据え付けられたものであり、元々、その場所に磐座があったから、それを拝する社殿が造られたというものではないように見受けられるということだ。
 社殿が先か。磐座が先か。こんなことは大した問題ではないのかもしれない。しかし、磐座が先でなければならないという私の持論によって判断するならば、決してあいまいにはできない重大問題であり、是非ともこだわっておきたかった。よく知られている通り、社殿が造られ、神社神道の信仰形式が整備されたのはずっと後世のこと、佛教が伝来してから後のことなのだ。だとすれば、これは新しい時代のものだ。


○なぜ、2つの峰が連なるのか?
 もう1つある。元宮社殿跡に立って、後方(南)に聳え立つ山並みは、どうして高千穂峰と韓国岳という2つの峰を備えているのか。どうして並び立たなければいけないのか。高千穂峰が一つあれば十分ではないのか。韓国岳は必要ない。超主観主義と言われるかもしれないが、私はそう思うのである。
 理由はともかく、元宮社殿跡に立って南西方向から北東方向に並び立つ高千穂峰と韓国岳を見上げるよりは、韓国岳から高千穂峰を見るとか、都城から高千穂峰を見上げるとか、単独で高千穂峰を望めばよく判ることであるが、山の形がそれ自体、「山」型になっており、極めて示唆に富んでいるのだ。こじつけだとか、偶然だとか、いろいろ言われそうな気がするので、これ以上は触れないが、第一印象は重要である。
 第一、高千穂峰にニニギノミコトが置き忘れて行ったとかいう「天の逆鉾」なるものはいったい、何なのか? 恐れ多くも高千穂峰の山頂部に鉾を突き刺すとは何事か? 私の目には高千穂峰の急所に逆鉾を突き刺して止めを刺した永遠の記念碑のように思えてならない。このような逆鉾なるものは直ちに引き抜いて放り捨てなければならない。
 そうすれば、高千穂峰は再び息を吹き返して生の営みを開始することになるであろう。

○陰に隠れた東(つま)霧島神社
 そんな時、直観的に私の目が引きつけられたのは「東霧島神社」と書いて「つまきりしまじんじゃ」と読む東霧島神社である。この神社は怪しい。こちらが本当の霧島神社ではないだろうか。そうでなければならない。
 東霧島神社は、よく知られている通り、霧島山麓一帯に存在する「霧島六所権現」という神社群の中でも度重なる噴火や社会変動の嵐にもめげずに元々の信仰の形を残し、どこへも移転したりせず、ずっと守り通してきたと言われている。霧島神社や狭野神社、霧島東神社などの神社が移転したり、居候したり、変転を繰り返している時、東霧島神社だけは古い霧島信仰の形を残しているのである。
 では、古い霧島信仰の形とは何か。どこかに、まとまった形で書かれているわけではないので、自分自身の直観と経験に基づく論理によって語って行く他にないのであるが、何よりもはっきりしているのは、明らかに高千穂峰を意識して礼拝の形式と作法が定まっているということだ。これは動かし難い事実であり、神社の設計思想が客観的に物語っていることであり、口先であれこれと語っても無駄である。
 鳥居をくぐり、長い、長い鬼が造ったという階段を登って行くと正面に拝殿が見えてくるのであるが、この拝殿は、ずばり、高千穂峰をご神体として配置されているとしか、思えないのである。この場所には、おそらく、何か、巨大な磐座(イワクラ)があったのではないだろうか。社殿の東隣に残された岩が、その一部であったと考えると麓に残された「神石」「裂割石」「立石」などが重要な意味を持ってくる。
 おそらくは、麓の祭り場と山頂部の祭り場は一体のものとして造られており、はるか遠くに聳え立つ高千穂峰を仰ぎ、奉るための祭祀場であったものと思われる。改めて見直し作業をしてみたらどうだろうか。細かい部品や細部の相違などばかり見ていては大所高所から見た判断ができなくなる。壮大な視点から古代人の設計思想を看破するほどでなければ、古代の謎を解明することは難しい。

○高千穂峰の写真は「霧島神社社務所発行」『霧島神宮』から転写使用させていただきました。
○東霧島神社拝殿の写真は『ひむか神話街道』より転写使用させていただきました。

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