インド・グジャラート州
インダス文明の地域は広い。東西一六〇〇キロ、南北一四〇〇キロにもおよぶ。この広さは四大文明でも最大である。この広大な地域に、モヘンジョ・ダロやハラッパーをはじめとする大小一五〇〇を超える遺跡がある。
モヘンジョ・ダロやハラッパー遺跡はインダス川沿いにある。しかし、ドーラビーラーのあるグジャラート州は、インダス川から遠く離れている。にもかかわらず、グジャラート州には数百を超えるインダス文明の遺跡が確認されている。インドの首都デリーに近い北西インドにも数多くの遺跡がある。
インダス川から離れた地域のグジャラート州や、北西インドの地域に、なぜインダス文明の遺跡が多くあるのか。疑問を感じながら地図を見ていると…(資料1)
インド亜大陸西側の付け根部分にあるグジャラート州には約4−5000年前に栄えたと言われるインダス文明の遺跡が多くあります。グジャラート州のすぐ南にあるムンバイは、ボンベイとも呼ばれ街自体が有名ですが、近くにエローラやアジャンターなどの石窟寺院、ボンベイ湾に浮かぶエレファンタ島の寺院など世界遺産に指定されている数々の文化遺産が有ります。即ちグジャラート州はもともと古い文明にゆかりの深い地域なのです。このグジャラート州の中央がカンベイ湾(Gulf
of Cambay)で海中遺跡と思われる場所が水深40メートルで見つかっています。

黄色く塗られているのがグジャラート州、そして矢印の先がカンベイ湾にある海中遺跡です。

カンベイ湾付近の拡大図
海中遺跡
海中遺跡調査ではサイド・スキャン・ソナーやサブ・ボットム・プロファイラーという装置が使われます。サイド・スキャン・ソナーの原理は魚群探知機と同じですが音波を斜めに発射してその跳ね返り音を解析する装置で、3次元の広域地図を作るのに適しています。またサブ・ボットム・プロファイラーは海底の構造を知る為に使われます。
インド国立海洋技術研究所(India’s National Institute of Ocean Technology (NIOT))が行った調査資料を示します。示しているのは、41メートルx25メートルの矩形の窪みです。といってもソナー画面の判断には、技術が必要なので筆者にもよくわからないのですが。
この場所から人工と推定される物体が見つかっており、年代はNIOTが行った炭素14年代測定法によると、今から8500年前と9500年前だそうです。

インダス文明再考のきっかけ?
冒頭に示した「インダス川から離れたグジャラート州や、北西インドの地域に、なぜインダス文明の遺跡が多くあるか?」という素朴な疑問に対して、引用した本では
“インダス川の東、グジャラート州の端にかつてガッガル・ハークラーという干上がってしまった川が流れていて、これに沿って文明が伝わったからである。”
とあります。これはインダス文明伝播に関する現在の理解と思われます。しかし、カンベイ湾海中遺跡の調査が進めばこの答えは影響を受けるかも知れません。カンベイ湾はグジャラート州の真ん中、しかも出てきた物はインダス文明より古い可能性もあるのです。
関連資料
資料1;NHKスペシャル四大文明インダス、近藤 英夫、日本放送出版協会、2000年
資料2;Gulf of Cambay資料
http://www.grahamhancock.com/underworld/cambay1.php