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大ピラミッドの話
「海底遺跡の探し方(11)−水中デジカメ講座3」

今尾 いくる
9月1日

デジタルカメラの欠点
 前回、デジタルカメラの利点について述べましたが、物事良い事ばかりではありません。楽有れば苦あり。一流レストランで美味しい料理を食べれば、ちゃんとそれなりの請求書が待っている。
 デジタルカメラの欠点はまさにそのデジタルの部分にあります。デジタルカメラでは今までフィルムが入っていた所に撮像素子という部品が使われます。この撮像素子は、半導体というシロモノで、その形式からCCDやC−MOSと呼ばれます。撮像素子は最新の半導体製造技術を駆使して作られるのでどうしても値段が高くなり、メーカーはできるだけサイズを小さくしようとします。ポケットデジタルカメラでは35ミリフィルムの数分の一の大きさしかありません。フイルムの世界でもAPSという、因みにAPSはアドバンスド・フォト・システムの頭文字とか、小さなフィルムがありましたが、これと同じサイズです。このような小さなサイズで撮ったものを35mmフイルムと同じ大きさの写真にしようとするとどうしても余計に拡大しなければなりません。そしてこの拡大するということは、水の屈折率で述べたように拡大レンズをつけているのと同じということになのです。デジタルカメラではますます広角側が使えないことになります。一般にデジタルカメラは広角側に弱いのです。

画素と受光面積
 撮像素子についてもう少し説明します。撮像素子を土地開発のようなものと考えてください。ある地域をデベロッパーが開発するとします。デベロッパーは土地を均し、区画整理して一戸建ての家を建てます。この地域全体が撮像素子一個、そこに建っているそれぞれの家が画素と言われているものになります。ある土地開発では200万戸(画素)、別の開発では300万や500万戸(画素)という具合です。そして画素の数が多いほど、パソコン表示や印刷時に大きな写真になります。というのは、デジタルの写真は画素である色のついた点を順番に並べて作るからです。従って写真の大きさは画素数に比例します。最近デジカメは画素数を競っています。ケータイだって100万画素になってきました。画素は多いほど良いのです。メデタシメデタシ。
 実は、ここからが本当の問題。同じ面積の二つの撮像素子を考えて見ましょう。土地開発の場合でも、地域全体は同じ広さであっても、庶民向けに開発された所は多くの戸数がぎゅっと詰まっていて、一戸の坪数は大きくありません。余談ですが、この坪という言葉には、単なる単位以上のものがありますね。100坪なんていうとそれだけで広くていいなーと思うのです。平米数というと未だにピント来ない。坪は単位と概念とさらに憧れをも含んだ言葉なのです。
 では“超高級”住宅地はどうでしょう。日本では普通の場所、これらは諸外国と比べると残念ながら普通よりも劣る事もしばしばあります、が“高級”住宅地として売られていることが多いのですが、超高級住宅地は戸数が少なく、一戸ずつが広い庭を持っていて、太陽がさんさんと降り注いでいます。
 即ち、限られた面積の地域を分割する場合、戸数が少ないほど一区画の面積は大きくなります。当たり前の話です。この話が撮像素子と画素数との関係でも当てはまるのです。同じサイズの撮像素子を使った場合には画素数が少ないほど一つずつの画素坪数、もとい画素面積は大きくなるのです。
 そして、この一つ一つの画素の大きさが水中では問題になるのです。というのは水中では光量が減るためです。一画素の面積が小さいとその画素では十分な光が得られず、画素が得る情報はあいまいなものになります。また画素と画素の間隔が狭いということは、丁度隣家の話し声が聞こえてくるようなもので、隣の信号が漏れてくることになります。因みに、この説明外国人にはピンとこないだろな。結果として、一つ一つの画素から得られる情報があいまいで“ぼんやり”した写真になるのです。結論を言うと、水中写真の画質は、“撮像素子面積÷画素数”で決まります。

<続く>

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