kitombo.com | 特別寄稿 | 2002年8月5日 
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特別寄稿
「ラッキー・ミラクルの話」

油棚憲一
8月5日

(1) プロローグ
 この様な話は恥ずかしくって本名では書けないので、ペンネームで書かしていただく。
 今からでは十数年も前の私の近況報告のコピーの原紙が残っていたが、そこには次の様な書き出しで「本当に不思議が・・・」という題を付けて書かれていた。即ち、
「世の中には他人には信じてもらえない体験を持つ人がいる・・・」
 という書き出しで、その時に体験した多くのラッキー・ミラクル(幸運の奇跡)について述べ、「有り難い話である」と結んでいる。この「有り難い」の意味は「有り得ない」の意味ではなく「サンキュー」と謝している意味である。
 更に「近況報告」のコピー原紙をめくって見たら、一九九○年正月の挨拶状に次の様に記されていた。ラッキー・ミラクルの一例と言えるので、その抜粋を原文のままにここに再録しよう。

 昨年末は、といっても、数日前のことですが、私はハワイへ行っておりました。思いもかけずクイーン・エリザベス世号の、しかもAクラス乗客として招待され、ホノルル=東京間のクリスマス・クルーズの超豪華船旅を体験させて頂きました。
 日頃野人の私も、この間は一応紳士然として・・・。何しろ数少ないAクラス・キャビンのVIP役のパーフォマンスと考えてのこと。船内では早くもご立派な方々とお近づきになれ、光栄であると共にご好意に感謝申し上げる次第であります。
 打ち明け話も付記しますと、最近何かとツイているのでスロットルマシンでも、と思い、群衆の中へ私も。こっそり始めたつもりが、数回にして大当たりの百枚コインがリリリーンの警報と共にジャラジャラジャラ。既に仲良くなった方々皆、私の周りへ。
 そして、「もう損をしないうちに、そこで金にかえては?」と。そこで私、「遊びなのだからもう二、三回やってから・・・」と。所が、その二、三回目に又もリリリリーン! 百枚コインがジャラジャラジャラ! 連続の大当たりに、もう室内の客は全部私の周りに。
 その中で、一人のヤングレディ――「おじさんの所だけが出るのだから、そのマシンを私に譲って・・・」と。私は応じた。余りのラッキーに恥ずかしくもなったからだ。彼女が続けた。何回か、二枚や四枚が出たが、手元は間もなくゼロになった。
「やっぱり神様にお祈りしなきゃあ」と私。友人達の前で笑いながら合掌。皆は言った。「ここで換金しなけれや、ラッキーはすぐにプアーになるよ」と。「オーケー、このコップからあふれた分だけ打って止めることにするよ」と。所が、どうであろう! その僅か二、三回打っただけで、皆の前で又も警報は大きくリリリリーン!
 今度はコインは一枚も出て来ない。「おやっ」と思って掲示板を見直せば、なんと別掲示板の方に、最高大当たりの六百!とライトが点滅。これこそ打ち止め! 私よりも場内の騒ぎが大変! 
 やがて係員が現れて警報を止め、私にサインと部屋番号を書かせて直接現金を手渡すのだ。ギャンブルなど一切やった事のない私だったが、この様な打ち明け話をお正月の話題としては許してもらえるかと思い、ついつい。お笑い下さい。
 更に追加させて頂くならば、「ツイている人にツイているとツイて来る」とは本当らしいという事です。
 私の近しい友人の弟夫婦は当然船内で親しくなっていたが、その方達は私とすぐ近くの指定席で三カップルの円卓食事を続けていて、皆仲良くなっていた。所が、ある二百人に一人位しか当たらないビンゴに賞金一回六万から七万円のラッキーが三カップルとも全部当たったのです。
 クイーンエリザベス世号の思い出が悪かろう筈はありません。関係者に感謝です。
 こうした打ち明け話でも、そうした経験の無い人達に言わせると、「全くの作り話のホラ話では?」としか考えないのが普通である。しかし、世の中には本当にこの信じ難いラッキー・ミラクルに何時も囲まれている人がいるのは事実だ。
「大金持ちになる」とか、「社会的な高級な地位を得る」などの話とは若干、筋が異なる話かもしれないが、いうなれば「楽しいラッキー」が何時もその人の周囲にただよっている、といった種類の話である。
 大金持ちになっても、高い地位についても、その人個人や周辺は不幸である事が多い。そこには若干話にちがいがあると言えないだろうか。私のここで触れるラッキー・ミラクルは多分に遊び心の楽しい不思議な話ですから読者諸賢と共に楽しみながら話を進めさせて頂きたいのです。
 ここでもう一度言わせて頂く事は「ツイている人にツイているとツイて来る」と私は信じているので、読者諸賢にもツキが生ずることを信じつつ・・・

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